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単純近視と変性近視(たんじゅんきんしとへんせいきんし)

9月13日

単純近視は眼鏡をかければ視力が1・0以上得られ、視野にも異常がない近視をいい、変性近視は病的近視ともいい、眼鏡をかけても視力が1・0未満しか出ないか、視野に異常が出る近視のこと

単純近視は、眼鏡をかければ視力が1・0以上得られ、視野(見えている範囲)にも異常がない近視をいいます。変性近視は病的近視ともいい、眼鏡をかけても視力が1・0未満しか出ないか、視野に異常が出る近視をいいます。

一般に近視の程度が強くなると、変性近視になる確率が高くなります。日本人ではマイナス8D(ディオプター)以上の強度近視では、変性近視になりやすいと報告されています。

原因は何か

変性近視で視力が低下する理由は、網膜剥離(もうまくはくり)、緑内障(りょくないしょう)、白内障(はくないしょう)、黄斑変性(おうはんへんせい)などがあります。強度近視は眼軸(がんじく)(眼の奥行き方向の長さ)が長くなり、結果として網膜が薄くなります。したがって網膜剥離が起きやすく、また網膜の下に亀裂(きれつ)が入って脆弱(ぜいじゃく)な血管(新生血管(しんせいけっかん))を生じ、黄斑出血が起こって重篤な視力低下が起きることもあります。また、加齢に伴って黄斑部が萎縮(いしゅく)し、視力が低下する場合もあります。

症状の現れ方

変性近視は、中年以降に発症することが多く、眼鏡で矯正(きょうせい)しても視力が出ない場合は注意する必要があります。とくに黄斑変性の初期には、物がゆがんで見える症状が出るので、片目ずつ見て、見え方に変化がないか確かめる必要があります。

検査と診断

網膜剥離、黄斑変性は、眼底検査で診断されます。緑内障は視野検査で、白内障は細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査で診断されます。

治療の方法

眼軸長の延長を止める治療法は、現在のところありません。白内障や網膜剥離による視力低下は、手術により回復させることが可能です。
強度近視に伴う緑内障は眼圧(眼の圧力)が高い場合は点眼薬で治療しますが、眼圧が正常である場合は、循環改善薬の内服薬などが処方されます。新生血管が生じて黄斑出血が起こった場合は、止血のための内服薬が処方されます。また、黄斑移動術という手術が行われる場合もあります。

病気に気づいたらどうする

強度近視の人で、眼鏡を替えても視力が出にくくなった場合は、変性近視が始まっている可能性があるので、早めに眼科を受診してください。

大脳視中枢と視機能障害

9月13日

大脳視中枢と視機能障害では病側と反対側の視野が両眼性に障害される同名性視野障害(同名半盲など)を起こすことが特徴的

眼球でとらえた視覚情報は、眼球から後方に延びる視神経を通じて大脳の後頭葉(こうとうよう)にある視覚中枢へと投影されます。その途中、脳下垂体(のうかすいたい)の上方で左右眼からの視神経が交わって視交叉(しこうさ)をつくります。視交叉では、両眼の視野の中心に引いた垂直経線から、右側の視野を担当する視神経線維は左側にまとまって左の視索(しさく)を形成し、左視野を担当する視神経線維は同様に右視索を形成し、それぞれ左右の後頭葉視覚中枢(こうとうようしかくちゅうすう)に至ります。

したがって、視索以降の後頭葉視覚中枢の病変では、病側と反対側の視野が両眼性に障害される同名性(どうめいせい)視野障害(同名半盲(どうめいはんもう)など)を起こすことが特徴的です。まれに、両側の後頭葉視覚中枢が障害されると両側の同名半盲、すなわち視野がなくなって見えない状態になり、これは皮質盲(ひしつもう)と呼ばれます。

また、後頭葉視覚中枢に投影された視覚情報は、その周囲(大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)と呼ばれる)に運ばれて、それぞれ形態や顔貌(がんぼう)や色、動きなどの視覚情報として二次処理されます。

この部分の障害では、見えているが人の顔や表情がわからない(相貌失認(そうぼうしつにん))、外界の色がなくなり白黒テレビのように見える(大脳性色覚異常(だいのうせいしきかくいじょう))、物体は見えているがそれを指さすことができない(視運動性失調(しうんどうせいしっちょう))などの特異的な症状を示すことが知られており、高次脳機能(こうじのうきのう)障害とも呼ばれます。

原因は何か

後頭葉視覚中枢での出血(血腫(けっしゅ))、梗塞(こうそく)、腫瘍(しゅよう)が主な原因になります。高齢者では、血管障害による梗塞が原因の多くを占めます。若年者でも脳腫瘍や、外傷後の硬膜外血腫(こうまくがいけっしゅ)などが原因になることがあります。

検査と診断

眼科での視野検査で同名性の視野障害が検出されれば、頭部CTやMRIなどの画像診断で原因となっている病巣を確認する必要があります。

治療の方法

この病気の元となった病気の治療が原則です。後頭葉の腫瘍や血腫が原因の場合は脳外科的治療の適応になりますが、脳梗塞の場合は保存的治療となります。