使い捨てコンタクトレンズ通販の価格比較のエントリーリスト -2008年07月-

開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)

7月13日

開放隅角緑内障は眼球内での房水(ぼうすい)の流れが悪いため眼圧が上昇するタイプの緑内障で、慢性的に視神経が圧迫されて、徐々に進行するのが特徴

眼球内での房水(ぼうすい)の流れが悪いため眼圧が上昇するタイプの緑内障で、慢性的に視神経が圧迫されて、徐々に進行するのが特徴です。慢性緑内障の典型的な病型といえます。

また、開放隅角緑内障は眼圧が上昇するのが特徴ですが、眼圧が正常範囲である以外は開放隅角緑内障と同じタイプの緑内障として、正常眼圧(せいじょうがんあつ)緑内障(眼圧が正常範囲の緑内障)があります。これは眼圧検査では発見できないため、眼底検査が発見の決め手となります。現在日本で最も多いタイプで、40歳以上の約3・6%に正常眼圧緑内障がみられると推定されています。

原因は何か

開放隅角緑内障では房水流出口である隅角は広くあいていますが、排水部分である線維柱帯(せんいちゅうたい)が目詰まりしていて、房水が流れにくくなり眼圧が上昇するといわれています。線維柱帯が目詰まりする原因としては、コラーゲンや異常な蛋白質の蓄積、線維柱帯を構成している細胞の減少などがいわれています。

正常眼圧緑内障の原因は専門家の間でも意見が分かれていますが、その人の視神経乳頭が耐えられる眼圧が低い、眼循環に障害がある、などの原因が考えられています。

症状の現れ方

眼が重い、眼が疲れやすい、肩がこるなどの症状が出ることもありますが、多くはかなり進行するまで無症状です。検診で見つかることが多い病型です。中期?末期になると視野欠損を自覚します。

検査と診断

開放隅角緑内障では眼圧検査で22mmHgを超えることがあること、視神経乳頭の検査で緑内障性の視神経乳頭の障害を認めること、視野検査で視野欠損を認めること、隅角検査で開放隅角であること、原因となるようなそのほかの眼や全身の病気がないことが診断基準になります。

正常眼圧緑内障では眼圧は正常範囲です。この場合は、原因となるような頭蓋(ずがい)内の病気(脳腫瘍(のうしゅよう)や脳梗塞(のうこうそく)など)がないかどうかを調べることも大切です。

治療の方法

開放隅角緑内障の治療は、まず薬物による眼圧下降が選択されます。点眼治療から開始し、効果が不十分な場合、内服薬、レーザー治療、手術と順次病気の進行によって選択されます。点眼薬はまず1剤から開始し、眼圧下降の効果をみながら追加していきます。正常眼圧緑内障の場合、眼圧は正常範囲内ですが、多くの場合緑内障の進行に眼圧が関わっているとされることから、眼圧が極めて低い場合を除いて薬物による眼圧下降治療を行います。

薬物・レーザー治療・手術治療を問わず、眼圧を10-12mmHg程度にコントロールすることで視野異常の進行を止めるのに効果的だとされています。

病気に気づいたらどうする

開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障とも、慢性の進行性の病気なので、長期にわたって定期的な眼科受診が必要です。薬による治療はきちんと続ける必要がありますが、必要以上に気にしないことも大切です。とくに生活上の規制は必要ありません。

角膜・結膜異物(かくまく・けつまくいぶつ)

7月13日

角膜・結膜異物とは角膜に植物片、小さな昆虫、砂、ハードコンタクトレンズなどの異物が混入すること

救急外来を受診することの多い疾患のひとつですが、原因や異物の種類は多岐にわたっています。早急に異物を除去し、感染を防ぐことが重要です。

原因は何か

代表的な角膜異物のひとつに、鉄工所などでの作業中に保護眼鏡なしでグラインダーなどを使っている時に飛び込んでくる鉄片異物があります。家庭では、スクラブ洗顔剤などの飛入による結膜異物などもみられます。そのほか、植物片、小さな昆虫、砂、ハードコンタクトレンズなどさまざまな異物があります。

症状の現れ方

主症状は異物感ですが、流涙(りゅうるい)、充血、羞明(しゅうめい)(まぶしい感じ)などを訴えることもあります。

検査と診断

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡でよく観察し、異物を見つけることが必要です。痛みにより眼を開けるのが困難な場合は、点眼麻酔薬を用いたのちに診察を行うこともあります。異物の位置の深さにより角膜穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)を示していることもあるため、フルオレセインナトリウムと呼ばれる染色を行って診察することもあります。

治療の方法

結膜の異物は綿棒やピンセットを用いて容易に除去できますが、細かい砂などの場合は洗眼しながら除去します。角膜の異物は特殊なとがった針などを用いて除去します。

角膜深層に位置する異物の場合は、手術用顕微鏡の下で処置を行う必要があります。除去することにより孔があいた場合は、治療用コンタクトレンズで圧迫する場合と、ナイロン糸で縫合する場合があります。

角膜異物(かくまくいぶつ)

7月13日

角膜異物とは、角膜に異物が付着あるいは刺さった状態のこと

角膜異物とは、角膜に異物が付着あるいは刺さった状態をいいます。

原因は何か

原因となる異物としては飛んできたゴミ、鉄粉、植物の種子などさまざまな小物体があげられます。表面に付着しただけの異物は取り除くだけで問題はありませんが、異物が角膜に刺さると感染を起こす場合があり、感染予防が大切です。また鉄粉が角膜に入ると錆(さび)が出るため除去する必要があります。

症状の現れ方

角膜は非常に痛覚が発達しているため、異物が付着した瞬間に異物感、眼痛などの症状が現れます。

検査と診断

疼痛が強い場合には、まず点眼麻酔(0・4%塩酸オキシブプロカイン点眼)を行います。そのあと静かに両眼をあけさせ、ペンライトや懐中電灯で角膜を照らします。異物は角膜の表面に小さな物体としてみられます。少し時間がたっている場合には、異物の周囲が浮腫のためやや白く見え、その近くの結膜に充血がみられます。

治療の方法

治療としては、異物を除去し、同時に感染の予防を行います。異物の除去法はまず十分に点眼麻酔を行い、その後洗眼や水道水などで洗い流します。

これで取り除けない場合には綿棒やティッシュペーパー、きれいなハンカチなどで軽くこするようにして異物を除去します。角膜に刺さっている異物は細隙灯(さいげきとう)顕微鏡下でていねいに除去しなければなりません。
 除去後は感染を予防するために抗菌薬の眼軟膏を入れ、眼帯をつけ、必ず翌日の診察を受ける必要があります。汚染されている異物の場合にはとくに感染予防対策が大切で、時に抗菌薬の内服を行います。

いったん感染を起こした場合には角膜潰瘍など重い合併症に進む危険性があるので、角膜異物を決して軽くみてはいけません。

応急処置や予防対策はどうするか

角膜異物は自覚症状がはっきりしているため、診断は簡単です。眼科医に行く前に、まず洗眼・洗顔、あるいは水道水、シャワーなどで異物の流出除去を図り、症状がなくならない場合には眼科医の診察・治療を受けることが大切です。

角膜変性症(かくまくへんせいしょう)

7月13日

角膜変性症とは老化現象や角膜に脂肪や石灰がくっついたり、あるいは遺伝によって角膜が濁っていびつになる病気のこと

角膜変性症は老化現象や角膜に脂肪や石灰がくっついたり、あるいは遺伝によって角膜が濁っていびつになる病気を角膜変性症といいます。ここでは、正しくは角膜ジストロフィーと呼ばれる遺伝性の病気について解説します。

症状の現れ方・診断

一般的に若いころ両方の目に発病し、ゆっくりと進行していきます。角膜にみられる濁りの形から顆粒状ジストロフィー、斑状ジストロフィー、格子状ジストロフィー、膠様滴状ジストロフィーなどに分類されています。この病気の原因として、代謝の異常が関与していることがわかっています。また、どのような遺伝の形をとるかということがわかっている病気もあります。

治療の方法

確実な治療法はわかっていません。病気が進んで視力がひじょうに低下した場合には、角膜移植を行ないます。

タイプによっては、何年かたつうちに移植した角膜にも同じ病気がおこってくることがあります。

角膜炎

7月13日

角膜炎細菌やウイルス、外傷、アレルギー反応、コンタクトレンズの長期装用や間違った使用などにより角膜に炎症が起きる病気

角膜炎とは、細菌やウイルス、外傷、アレルギー反応、コンタクトレンズの長期装用や間違った使用、ドライアイ、点眼薬(目薬)の副作用などなどにより角膜に炎症が起きるもので、眼痛、異物感、充血、涙目、さまざまな混濁、さらに悪化すると視力障害を訴えることもある症状です。

原因は何か

外傷、コンタクトレンズ障害、ドライアイ、細菌感染、ウイルス感染、真菌(カビ)感染、その他さまざまな原因があり、なかには原因不明のものもあります。

症状の現れ方

いろいろな病気の総称なので、症状としては視力が低下したり、痛かったり、異物感があったりと、程度や原因によってさまざまです。

検査と診断

角膜の病気の診断に役立つ情報の8?9割は、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡(スリットランプ)検査によって得られます。スリットランプは眼に細いスリット状の光を当ててその反射を顕微鏡で拡大してみることによって、眼球のいろいろな組織の細かい状態を調べることのできる器械です。

これと、視力検査・眼圧検査は角膜の病気を調べるにあたって必ず行われると思ってよいでしょう。

治療の方法

原因によって治療法はさまざまですが、点眼薬による治療が主になります。

病気に気づいたらどうする

当然のことながら、眼科専門医の診察を受けてください。一般に眼の病気の状態は、自分ではなかなかわかりにくく、同じような症状でも原因によって治療は異なるので、くれぐれも自己治療はしないようにしてください。

また、角膜の病気では、コンタクトレンズを使用している人は中止することが一応大原則なので、そのように心がけてください(ただし、眼科で角膜の病気に対して治療目的の保護用のコンタクトレンズを使用することはある)。

角膜潰瘍(かくまくかいよう)

7月13日

角膜潰瘍は角膜の表面の上皮だけでなく、その奥の実質にもにごったり、薄くなったりといった影響が出ている場合のことを角膜潰瘍という

角膜潰瘍は角膜びらんと異なり、角膜の表面の上皮だけでなく、その奥の実質にもにごったり、薄くなったりといった影響が出ている場合は角膜潰瘍といわれます。より重症であり、治ったあとも視力障害が残ります。場合によっては角膜穿孔(かくまくせんこう)といって、角膜に孔(あな)があいてしまうことがあり、失明に至るケースもまれにあります。

原因は何か

外傷やいろいろな感染(ヘルペス、細菌、真菌、アメーバ)が主たる原因です。その他、自分の角膜をにごらせたり溶かしたりするような異常な免疫反応(自己免疫)によって生じる場合(蚕蝕性(さんしょくせい)角膜潰瘍)、酸やアルカリが眼に入って起こる場合(角膜化学腐蝕(かくまくかがくふしょく))、糖尿病や神経系の腫瘍などで角膜の知覚神経が障害されて起こる場合もあります。

蚕蝕性角膜潰瘍は必ず潰瘍になりますが、それ以外は、そのなかの重症例が角膜潰瘍になると理解してください。

症状の現れ方

眼のころつき、痛み(時に激痛)、白眼の充血が起こり、瞳にかかる部分に潰瘍ができると、かなり視力が低下します。涙もたくさん出ます。細菌性や真菌性の場合は、目やにがかなり多量に出ます。

時に痛みを伴わないことがありますが、この時は角膜の神経が障害されており、かえって治りにくいのが特徴です。

検査と診断

感染が疑われた場合は、角膜の悪い部分を少し削って、そこに細菌や真菌、ヘルペスウイルスがいないかどうか検査します。角膜の知覚の低下をみる検査や、血液検査で糖尿病や自己免疫疾患がないかを確認することもあります。

治療の方法

感染の場合は、その原因となっている微生物に対する薬剤を点眼、眼軟膏、点滴、内服、結膜下注射(白眼の部分の最表面の結膜とその下の強膜の間に薬が入るように注射する)などの方法で投与します。

感染でない場合は、抗炎症薬を投与したり、角膜の上皮の治癒を促進するために、眼軟膏を入れて眼帯をしたり、治療用のソフトコンタクトレンズを入れたりします。

これらの治療でどうしても治らない場合や、角膜穿孔を起こした場合は角膜移植を行う必要があります。また、うまく治った場合でも、角膜の中央に強い混濁が残って視力が不良の場合は、やはり角膜移植を行います。

角膜化学腐食(かくまくかがくふしょく)

7月13日

角膜化学腐食は酸やアルカリが眼に入って、角膜がただれる病気のこと

酸やアルカリが眼に入って、角膜がただれる病気です。

原因は何か

仕事中の事故で眼に入ることが多く、男性に多いのが特徴です。酸よりアルカリのほうが重症で、とくに水酸化ナトリウムは非常に状態が悪くなります。また、熱いアルカリや酸が飛入した時は角膜のやけど(熱傷(ねっしょう))も伴うため、よりいっそう状態は悪くなります。

症状の現れ方

酸やアルカリが入ると強い充血・痛みを伴って眼が見えなくなり、自分で眼をあけるのもつらい状態になります。

ひどい場合は角膜の強い混濁が残り、まぶたの側と眼球の側がくっついてしまうような場合もあります。さらにひどくなると、角膜潰瘍から角膜穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)を生じて、失明に至るケースもあります。

検査と診断

詳しい検査をするまでもなく、状況から化学腐蝕であることは明らかなので、応急処置を優先します。涙のpH(通常は中性)をpH試験紙で測って、どの程度、酸性・アルカリ性に傾いているかを判定し、治療や予後判定の参考にします。

治療の方法

まず、アルカリや酸を洗い流すことが重要なので、大量の生理食塩水でとにかく洗眼します。

セメントのような固形のものが眼の表面にはりついている場合は(この固形物が涙に溶けてアルカリが放出され、慢性的に眼表面が障害される)、洗っても取れないため、手術で摘除します。その後は、炎症を抑制するため副腎皮質ストロイド薬の点眼・内服と、感染予防のため抗菌薬点眼を行い、眼帯や治療用ソフトコンタクトレンズで眼の表面を保護します。

これらの薬物治療で、初期の炎症が落ちついたあとも強いにごりやはれが残った場合は、角膜移植を行うことになります。しかし、重傷度にもよりますが、角膜移植の成績は必ずしもよくありません。

病気に気づいたらどうする

アルカリや酸が飛入した時点で、すぐに自分で大量の流水で洗い流すことが極めて重要です。これをするかしないかで、あとの経過に大きな違いが出てきます。

また、入ったものの性質が重要なので、その成分がわかるようなものを眼科に持参して医師に見せてください。治療や予後判定のうえで非常に役立ちます。

この病気で最も大切なことは、酸やアルカリが眼に入る可能性のある危険な作業にあたっては、ゴーグルなどの眼を守る手段をとって予防することです。

角膜真菌症(かくまくしんきんしょう)

7月13日

角膜真菌症は細菌ではなく、真菌が角膜に感染して生じる病気

角膜真菌症は細菌性角膜炎(さいきんせいかくまくえん)に似ていますが、細菌ではなく、真菌(しんきん)(カビ)が角膜に感染して生じる病気です。

原因は何か

細菌性角膜炎と同様に、異物の飛入やコンタクトレンズが感染の原因になりますが、真菌の感染は、木の枝や稲穂などの植物で眼を突いた時に起こりやすいのが特徴です。

症状の現れ方

細菌の場合と同様、角膜に真菌が感染すると、眼の痛みと白眼の充血を伴って視力が低下し、涙や目やにがかなりたくさん出ます。角膜に白いにごりがあるのが肉眼でわかることもしばしばあります。細菌と違って、このような状態になるのに日数がかかるのが真菌の特徴で、いったん症状が確立するとなかなか治りにくくなります。

細菌性角膜炎と同様に、通常は片眼性です。

検査と診断

角膜の悪くなっている部分をこすり取って、それを顕微鏡で調べたり培養したりして、真菌が感染していることを確認します。この方法は細菌の場合とよく似ているので、通常は細菌と真菌について同じ材料(検体)をもとにして調べるのが一般的です。

治療の方法

抗真菌薬(こうしんきんやく)(カビに対する薬)の投与を行いますが、前記したように細菌の場合に比べて治療に時間がかかります。軽症と考えられた場合でも点眼、眼軟膏、内服、点滴を併用して治療するのが一般的です。多くは入院治療となります。

細菌性角膜炎と同様、薬物で治らない場合や、強いにごりを残して治った場合は、角膜移植を行うことになります。

角膜実質炎(かくまくじっしつえん)

7月13日

角膜実質炎とは角膜実質炎は目が炎症をおこして、角膜の深いところに濁りをつくるもののこと

角膜実質炎は目が炎症をおこして、角膜の深いところ[実質]に濁りをつくるものを角膜実質炎といいます。
今日ではまれな病気になりましたが、角膜実質炎の代表的なものは、先天梅毒と結核によるものです。

症状の現れ方と診断

先天梅毒性角膜実質炎は、先天的に梅毒をもっている人におこる病気で、幼児期から20歳ごろに突然角膜全体が濁り、虹彩炎をともないます。その後、角膜にたくさんの血管が入りこんできますが、濁りは少しずつ減ってゆき、最終的には、軽い濁りを残して病気は治ります。

発病の時期のずれはありますが、両眼におこるといわれています。結核による角膜実質炎は、片目におこることが多く、虹彩炎とともに角膜の濁りがごく限られた部分だけにみられます。この濁りは瞳孔の近くにでき、しかも炎症が治った後も強く残るので、かなり視力が落ちます。

治療の方法

先天梅毒や結核がないかどうか、全身チェックが必要です。角膜実質炎に対しては、副腎皮質ステロイド薬の点眼をしますが、先天梅毒や結核があればそれの治療も行ないます。

角膜ジストロフィー

7月13日

角膜ジストロフィーは遺伝性の病気で、両眼の角膜実質にいろいろなものが沈着したり、角膜の内側の内皮細胞が異常を来して角膜のはれを生じたりするため、視力に影響してくる病気のこと

遺伝性の病気で、両眼の角膜実質にいろいろなものが沈着したり(顆粒状(かりゅうじょう)角膜ジストロフィー、格子状(こうしじょう)角膜ジストロフィー、斑状(はんじょう)角膜ジストロフィー、膠様滴状(こうようてきじょう)角膜ジストロフィーなど)、角膜の内側の内皮細胞が異常を来して角膜のはれを生じたり(フックス角膜内皮ジストロフィー)するため、視力に影響してきます。膠様滴状角膜ジストロフィーは、欧米ではまれで日本人に多く、反対に、フックス角膜内皮ジストロフィーは欧米に多く、日本人には少ないのが特徴です。

原因は何か

原因は遺伝であり、最近、その多くについて原因となる遺伝子が解明されました。前にあげたなかでも、フックス角膜内皮ジストロフィーを除いて、原因となる遺伝子が特定されています。

症状の現れ方

最も頻度が高い顆粒状角膜ジストロフィーは、角膜の混濁が部分的であるため、軽度であればまったく無症状ですが、年齢とともに視力の低下やまぶしさを訴えるようになります。

格子状角膜ジストロフィーは、それよりも視力低下が強く、また角膜の上皮の接着が不良なため、再発性角膜びらんを生じて眼痛を生じることがあります。

斑状角膜ジストロフィーとフックス角膜内皮ジストロフィーは、年齢とともに強い視力障害を生じてきます。

膠様滴状角膜ジストロフィーは、かなり若いころから、アミロイドという物質が角膜の表面近くに沈着して表面がでこぼこになるため、視力障害やまぶしさが強いのが特徴で、再発性角膜びらんも生じます。

検査と診断

一部の専門病院では、血液から白血球を採取し、そこに含まれているDNAを解析し、原因遺伝子を検索することがありますが、まだ一般的な検査とはなっていません。

治療の方法

原因の遺伝子は最近わかりましたが、まだそれによる原因治療は開発されていません。治療としては、エキシマレーザーというレーザーを使用して角膜の表面のにごりのあるところを削る方法や、角膜移植が選択されます。

角膜ジストロフィーでのレーザーや角膜移植の成績は一般に良好ですが、原因が内因性であるため、このような治療を行っても再発してくる可能性があり、それが現在の課題となっています。

角膜びらん(かくまくびらん)

7月13日

角膜びらんとは角膜の表面の上皮が部分的にとれた状態をびらんといい、角膜の表面を浅くすりむいた状態のこと

角膜の表面の上皮が部分的にとれた状態を「びらん」といいます。角膜の表面を浅くすりむいた状態であると考えてもらえればよいでしょう。皮膚と違って角膜には血管はないので、角膜びらんでは出血しません。
 角膜潰瘍(かくまくかいよう)と違って軽症で、あとに後遺症としての視力障害は残らないのが一般的ですが、この角膜びらんを繰り返す再発性角膜びらんという状態になる人もいます。再発を予防する決定的な方法はないため、厄介です。

原因は何か

多くは外傷、異物飛入、コンタクトレンズ障害など、外的な要因で起こります。また、糖尿病(糖尿病の眼の合併症としては網膜症がよく知られているが、実は糖尿病の人では普通の人と比べて角膜の上皮が脱落しやすくなる)、角膜ジストロフィーなどの内的な要因でも起こります。

症状の現れ方

眼のころつき、痛み、白眼の充血が起こります。涙もたくさん出ますが、目やにはあまり出ません。

再発性角膜びらんの人はこれらの症状がとくに強く、また、朝起きた時に突然起こるのが特徴です。

検査と診断

通常、びらんの診断は容易ですが、再発性角膜びらんの場合は、糖尿病や角膜ジストロフィーについて血液検査で調べることもあります。

治療の方法

症状が非常に軽い場合は、感染予防の抗菌点眼薬をするだけということもありますが、通常は抗菌薬の眼軟膏(がんなんこう)を塗布して、眼帯をします。びらんの大きさにもよりますが、通常は数日で治ります。

再発性の場合は、1回ごとの治療は単純なびらんと同じですが、より痛みが強く、また、いったん治った直後に再発することもあるため、治療的に保護用のソフトコンタクトレンズを使用することもあります。

病気に気づいたらどうする

再発性角膜びらんの場合、前述したように再発を完全に防ぐ方法はありませんが、1回ごとの発作については後遺症もなくきれいに治ります。また、何度も再発しているうちに、しだいに再発しなくなってくるのが普通ですので、過度に心配しないようにしてください。

ただ、発作を起こした時は眼科を受診して、きっちりと治すことが大切です。

角膜輪部フリクテン(めぼし)

7月13日

角膜輪部フリクテン(めぼし)とは黒目と白目の境界を角膜輪部といいますが、そこに小さな水泡のような白いふくらみができる病気のこと

黒目と白目の境界を角膜輪部といいますが、そこに小さな水泡のような白いふくらみができる病気です。乳幼児、学童期の子どもおよび青年層に多い病気ですが、最近はあまりみられなくなりました。ある種のアレルギーが原因でおこるといわれます。

症状の現れ方と診断

目がごろつく、まぶしい、涙が出る、あるいは目が痛いといった症状が現われます。診断は、角膜輪部に小さな円形の白いふくらみができ、そのまわりの結膜が赤く充血し、ふくらみの先端は、特殊な染色液でよく染まることから容易です。1-2週間で自然に治るといわれます。

治療の方法

副腎皮質ステロイド薬の点眼が有効です。

角膜ヘルペス(かくまくへるぺす)

7月13日

角膜ヘルペスとは単純ヘルペスウイルスによる角膜の感染と、それに対する免疫反応によって起こる病気のこと

単純ヘルペスウイルス(皮膚の単純疱疹(たんじゅんほうしん)や唇の「熱の花」の原因となるウイルスでもある)による角膜の感染と、それに対する免疫反応によって起こる病気です。

原因は何か

単純ヘルペスウイルスは、角膜ヘルペスを発症する時に外から感染するのではなく、何年も前にすでに感染しています。知らない間に感染していることが多く、たとえば70?80代の人では、ほとんどが体のどこかの神経節にこのウイルスをもっています。

眼の奥にあり、角膜の知覚を司っている三叉(さんさ)神経節にも、このウイルスが潜伏感染していることがあり、このいわば眠った状態のウイルスがストレスや体調不良、熱発、気温の低下などが引き金となって目覚め、角膜の表面に出てくることによって角膜ヘルペスが発症します。

角膜ヘルペスはウイルスが角膜の表面の上皮で増える上皮型と、角膜の実質でウイルスに対する体の免疫反応が生じて、角膜の混濁を生じる実質型に大きく分けられます。

症状の現れ方

上皮型では、充血と軽いころつき、時に痛みを訴えますが、視力の低下は軽度です。実質型では、充血とともに視界がぼやけ、視力がかなり低下します。

角膜ヘルペスは通常、片眼性で、再発を起こすのが大きな特徴です。

検査と診断

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査での特徴的な所見(上皮型では樹枝状角膜炎(じゅしじょうかくまくえん)、実質型では円板状角膜炎)が診断に役立ちますが、特徴的な所見を示さない場合も多々あります。その場合は、角膜の悪い部位をこすり取ったり、涙を採取したりして、そのなかにウイルスがいないかどうかを調べます。

一般には、ウイルスを分離するのはごく一部の専門の施設でないと行えないため、ウイルスのもっている蛋白に反応する抗体を用いた蛍光(けいこう)抗体法や、ウイルスのDNAを検出するPCRという方法が使用されています。

また、角膜ヘルペスでは角膜の知覚が低下することが特徴であるため、角膜の表面を綿花の先やナイロン糸の先で触れて、それがわかるかどうかを検査します。

治療の方法

単純ヘルペスウイルスに対する特効薬としてアシクロビル(ゾビラックス)という薬があり、これを眼軟膏として使用します。ただ実質型では、体の免疫反応を抑えないと混濁がよくならないので、副腎皮質ステロイド系の点眼薬を併用します。

病気に気づいたらどうする

角膜ヘルペスは、体のなかから起こってくる病気なので、一度よくなっても三叉神経節にはウイルスが残っており、これがしばらくしてまた角膜に出てくるため、前記したように再発を起こすのが大きな特徴です。

そのため、一度よくなった場合も油断せず、体調を整えるとともに、万一再発した場合は早めに眼科を受診することが重要です。極端に悪くなるケースの多くは、再発した時々において、そのつど適切に治療が行われていなかったことが原因だからです。

仮性近視(かせいきんし)

7月13日

仮性近視とは毛様筋が緊張して、軽度の近視を生じることがあり、治療により正視にもどる可能性がある

近視は、多くの場合眼が奥行き方向に伸びることにより生じます。伸びた眼軸(がんじく)は短くなることはありません。つまり近視はいったん始まると、正視の状態にもどすことは困難です。しかし、まれに調節を司る毛様筋(もうようきん)が緊張して、軽度の近視を生じることがあります。この場合は治療により正視にもどる可能性があるので、仮性近視と呼ばれています。

原因は何か

仮性近視の原因は、毛様筋の過緊張にあります。軽い遠視がある学童で、近くを見る作業が多くなった時に生じます。しかし頻度は少なく、軽い近視が始まった学童の数%程度です。

症状の現れ方

遠くの物を見る時に眼を細めて見る、テレビを見る時に近づいて見るなどの症状が出た場合は、近視の初期症状と考えられます。

検査と診断

屈折検査で近視がみられ、これを矯正(きょうせい)する眼鏡をかけて視力が1・0以上あれば近視です。調節を麻痺させる点眼薬をさして、もう一度屈折検査を行い、屈折度が1D(ディオプター)以上遠視側(近視度が少ない方向)に変化した場合、仮性近視と診断されます。

治療の方法

仮性近視と診断された場合は、寝る前に調節麻痺の点眼薬をさすことにより、寝ている間に毛様筋がリラックスし、近視が改善することがあります。仮性近視ではない軽度近視の始まりの場合は、調節麻痺の点眼で近視を改善することは困難ですが、進行を遅らせる可能性はあります。しかし、黒板が見にくくなった時点で眼鏡を作製することになります。

近視の進行を予防する一般的な注意事項としては、悪い姿勢で読書をしないことなどです。

仮面ぶどう膜炎

7月13日

仮面ぶどう膜炎はさまざまな眼内腫瘍により、あたかもぶどう膜炎のような眼内炎症を引き起こしている状態

さまざまな眼内腫瘍により、あたかもぶどう膜炎のような眼内炎症を引き起こしている場合を指します。これが「仮面」といわれるゆえんです。本来のぶどう膜炎と異なり、炎症による症状でないため、ぶどう膜炎でよく治療に使用されるステロイド薬にはあまり反応しません。

原因不明のぶどう膜炎のなかで、ステロイド薬に反応があまりよくなく、長期に炎症が持続する場合には、腫瘍が原因となる「仮面ぶどう膜炎」である可能性があります。しかし、一般的な頻度としては、まれな病気と考えられます。

原因は何か

眼内腫瘍のなかでも、とくに成人の悪性リンパ腫、悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)、小児の網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)が多く、そのほかに白血病、他の臓器からの転移性の眼腫瘍が原因となる場合もあります。

たとえば悪性リンパ腫の場合、全身の悪性リンパ腫が眼内に転移してくる場合と、眼から生じてくる原発性の場合の2通りがあります。眼に発生する場合には、脳神経系にも生じていることもあります。この場合、脳神経系の症状が先に出てくる場合と、眼の症状が先に出てくる場合とがあります。

症状の現れ方

症状として、小児では斜視(しゃし)または瞳孔(どうこう)の赤色反射の喪失(白色瞳孔)、成人では飛蚊症(ひぶんしょう)や視力低下が起こることがありますが、一般的に自覚症状は初期には軽いことが多いのが特徴です。

検査と診断

悪性黒色腫や網膜芽細胞腫の場合は、散瞳下(さんどうか)の精密眼底検査でほぼ診断が可能です。しかし、悪性リンパ腫、白血病、その他の腫瘍の場合は、全身の検索とともに、硝子体(しょうしたい)手術などで得られる組織や細胞のサンプルを病理検査する必要があります。また、悪性リンパ腫では、脳神経系の病変の有無を調べるためにCTやMRIなどの検査を併用します。

これらの検査を行い、疑わしい場合は各専門の医師(血液内科など)と連携し、確定診断に努めてゆきます。

治療の方法

診断がついた場合、原因となる腫瘍そのものに対する治療を行います。たとえば眼内悪性リンパ腫であれば、放射線治療が適応となります。他の部位からの転移性の悪性リンパ腫である場合は、化学療法が主になります。しかし、原発性の眼内悪性リンパ腫の予後は大変不良です。

血液内科などの医師と眼科医との連携のもとに、治療することが重要です。

感染性角膜炎(かんせんせいかくまくえん)

7月13日

感染性角膜炎は角膜に感染する病原体として、細菌、ウイルス、真菌、アカントアメーバがあり、これらを総称して感染性角膜炎と呼んでいる

角膜に感染する病原体として、細菌、ウイルス、真菌(しんきん)、アカントアメーバがあり、これらを総称して感染性角膜炎と呼んでいます。

感染性結膜炎に比べ、角膜炎は重く、治療を怠っていると視力障害を残したり、角膜が穿孔(せんこう)(穴があく)して、角膜移植などの手術が必要になるケースもあります。

症状の現れ方

それぞれの病原体によって症状はさまざまですが、共通して、流涙(りゅうるい)、眼脂(がんし)(めやに)、眼痛、充血、視力低下などの症状で始まります。

細菌、真菌の場合は外傷をきっかけに発症し、ウイルス(とくに単純ヘルペス)の場合は何度も再発することが特徴です。アカントアメーバの場合は、大部分のケースでコンタクトレンズの既往歴があり、眼痛が激しいのが特徴です。

検査と診断

大部分は、病歴や症状、所見からほぼ診断することができますが、角結膜をこすってとる擦過物(さっかぶつ)で各病原体を検出することが確定診断に結びつきます。ヘルペス性角膜炎の場合は、角膜の知覚が低下していることが特徴です。

治療の方法

細菌性や真菌性角膜炎は、検出菌に感受性のある薬剤を投与します。ヘルペス性角膜炎の場合、上皮型であれば抗ウイルス薬であるアシクロビルの投与、実質型であればステロイド薬が治療の主体になります。アカントアメーバ角膜炎に対しては、抗真菌薬を投与します。

病気に気づいたらどうする

必ず、眼科専門医を受診してください。

かん目(角膜軟化症)

7月13日

かん目(角膜軟化症)とはビタミンAの欠乏による角膜の病気のこと

ビタミンAの欠乏による角膜の病気です。乳幼児で栄養状態がわるかったり、はしか、肺炎などで全身状態がわるいときにおこります。かつては、失明の大きな原因の1つでしたが、今日、わが国ではほとんどみられなくなりました。

症状の現れ方

程度の差はあるものの、両目に現われる病気で、夜盲症を合併します。まず結膜乾燥症をおこした後、角膜は乾燥して、光沢がなくなり、分泌物があかのように付着します。やがて二次感染をおこして中央部に潰瘍ができ、さらに穿孔し失明します。

治療の方法

ビタミンAの投与と、感染予防のため抗生物質の点眼を行ないます。

外傷性視神経症(がいしょうせいししんけいしょう)

7月13日

外傷性視神経症とは視神経が障害されることによる同側の視力・視野障害のこと

主に、眉毛部外側の打撲によって、視神経管(視神経が頭蓋内に入っていく際に通るトンネルのような細い骨の穴で、視束管(しそくかん)ともいう)で視神経が障害されることによる同側の視力・視野障害のことをいいます。重症の場合では光覚(こうかく)を失うこともあるため、緊急に眼科的検査、診断および治療が必要になります。

原因は何か

多くは、外傷の衝撃による視神経管内での視神経線維の血管原性浮腫(けっかんげんせいふしゅ)(むくみ)や循環障害が原因になります。まれに、視神経管内の血腫(けっしゅ)による圧迫や、視神経管骨折による視神経の直接損傷がCTなどの画像診断で確認される場合もあります。外傷のなかでも、オートバイや自転車などによる交通事故、墜落事故、前額部の強打が原因として多く報告されています。いずれにせよ眉毛部を強く打っている時は注意が必要です。

症状の現れ方

眉毛部の打撲傷に伴う同側の著しい視力低下や、視野障害(「上半分が見えない」などの水平半盲(すいへいはんもう)が多いとされる)が起こります。鼻出血を伴うこともあります。

ただし、意識障害のため、または受傷直後でまぶたがはれて眼がふさがっているため、症状を自覚できない場合もあります。その意味で受傷後早期の眼科専門医による診察、検査が大変重要です。

検査と診断

早期の検査としては、ベッドサイドや救急外来でも可能な瞳孔(どうこう)反応検査が有用です。両眼の瞳孔に交互に光をあてて対光反応の左右差をみる検査で、左右差が明らかな場合は視神経障害の可能性が高くなります。この検査は、たとえ意識障害がある場合でも行うことができます。

この検査で陽性の場合は、視力、視野、眼底などの眼科的検査を進めていきます。画像診断として、視束管撮影、眼窩部(がんかぶ)CT検査を行い、骨折や血腫の有無を確認します。

治療の方法

画像診断で明らかな骨折が認められた場合は、脳外科による観血的(かんけつてき)治療(視神経管開放手術)が必要になります。術後は後述の薬物療法も併用します。また、積極的薬物治療に反応していったん回復した視機能が再度悪化する場合は、血腫の存在が疑われるため、視神経管減圧術を行うことがあります。

画像診断で明らかな骨折が認められない場合は、視神経管内の視神経線維の浮腫を軽減させる目的で、全身状態に問題がなければ、高張浸透圧薬(こうちょうしんとうあつやく)(マンニトールなど)の点滴と、副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロンなど)の点滴を開始します。同時に、神経保護作用のあるビタミンB12製剤(メチコバールなど)や循環改善薬の内服を行います。

ただし、受傷後より光覚消失が持続するような重症の場合は、いずれの治療法においても視力予後は不良です。

明らかな骨折がない患者さんに対して非観血的(ひかんけつてき)治療(積極的薬物治療)を行うべきという考え方と、すべての患者さんに観血的治療(視神経管減圧手術)を行うべきという考え方があります。今なお結論が出ていませんが、積極的薬物治療を考えるべきという意見が多くなっています。

病気に気づいたらどうする

眉毛部を強く打撲してしまった場合は、まず見え方の左右差を比較することが大切です。視力・視野に異常を感じたら、早急に眼科医の診察を受けるようにしてください。まぶたがはれて眼が開かない、または意識がない場合でも、眼科医による瞳孔検査は最低限受けておくべきでしょう。早期発見・早期治療開始が大変重要です。

外傷性白内障

7月13日

外傷性白内障は眼球に強い外傷を受けると、子どもも大人も外傷性白内障を生じることがある

眼球に強い外傷を受けると、子どもも大人も外傷性白内障を生じることがあります。外傷によって、水晶体(すいしょうたい)を固定しているチン氏帯と呼ばれる細い糸の力が弱くなって水晶体亜脱臼(あだっきゅう)を起こしたり、水晶体嚢(のう)に亀裂ができたり、急速に過熟白内障(かじゅくはくないしょう)になったりすることが多く、手術方法もその場の状況で臨機応変に対応していかざるをえなくなります。

また角膜(かくまく)、強膜(きょうまく)や網膜(もうまく)にも外傷による疾患が生じていることが多く、その治療も必要です。眼内レンズが同時には入れられないこともあります。

眼窩腫瘍(がんかしゅよう)

7月13日

眼窩腫瘍とは眼球が骨に取り囲まれたスペースを眼窩といい、眼窩に存在する組織から発生する腫瘍を総称して眼窩腫瘍といいます

眼球が骨に取り囲まれたスペースを眼窩といいますが、そこには眼球のはたらきを維持するためのいろいろな組織、たとえば涙をつくる器官、眼を動かす筋肉、視神経などが詰まっています。このような眼窩に存在する組織から発生する腫瘍を総称して眼窩腫瘍といいます。

原因は何か

腫瘍発生の本当の原因はわかっていません。眼窩腫瘍はいろいろなものがありますが、数が多いものではありません。比較的多い腫瘍としては、成人では涙腺腫瘍(るいせんしゅよう)、悪性リンパ腫、眼窩炎性偽腫瘍(がんかえんせいぎしゅよう)などがあり、小児では皮様嚢腫(ひようのうしゅ)、リンパ管腫、横紋筋肉腫(おうもんきんにくしゅ)などがあります。

続発性(ぞくはつせい)眼窩腫瘍といって、眼窩内の組織ではなく、隣接する副鼻腔(ふくびくう)や上顎骨(じょうがくこつ)からの腫瘍が眼窩内へ増殖するものもあります。

症状の現れ方

腫瘍の種類によって症状が現れるスピードが異なりますが、一般的には良性のものはゆっくりと、悪性のものは急激に進行します。自分で気がつく症状としては、眼が飛び出してくる(眼球突出)ことがあり、まぶたがはれたり、物が二重に見えたり(複視)、痛みが出たりします。

検査と診断

視力、眼球運動、眼球突出度、視野などの検査を行い、腫瘍が手に触れる場合は、それが軟らかいか硬いか、皮膚との癒着があるか、痛みはあるかなど、その程度が参考になります。

また、全身疾患と関連がある場合もあり、皮膚に茶褐色のあざがないか、血管腫がないか、耳下腺(じかせん)や顎下腺(がくかせん)がはれていないかも参考になります。

最も重要なのは画像診断です。超音波検査は外来で手軽にでき、小児や皮様嚢腫では有用な検査法です。眼窩腫瘍の正確な場所を決めるためにはCTやMRI検査が必要です。腫瘍のさらなる性状を知るためには、それぞれの造影検査を併用します。骨への浸潤(しんじゅん)をみるにはCT検査が有用です。

放射性同位元素を用いたシンチグラフィを行い、全身にほかの病巣がないかどうかを判定します。また、試験的に腫瘍の一部をとり、顕微鏡で組織病理診断を行うと確定診断になります。

区別が必要な病気で最も重要なのは甲状腺眼症(こうじょうせんがんしょう)で、バセドウ病の眼症状なので、甲状腺機能検査が必要です。

治療の方法

薬で治る眼窩腫瘍は少ないのですが、眼窩炎性偽腫瘍などの炎症性の腫瘍や悪性リンパ腫では、副腎皮質ステロイド薬が有効なことがあります。また、炎症性の腫瘍では非ステロイド性消炎薬も用いられます。全身の悪性腫瘍の眼窩転移では抗がん薬が用いられることもあります。

放射線療法は、難治性の眼窩炎性偽腫瘍や、悪性腫瘍では転移性腫瘍、悪性リンパ腫に有効です。最近では、涙腺の悪性腫瘍に重粒子線などが使われ、効果がでています。

観血的に手術で眼窩腫瘍を摘出する時には、手術後に視力が低下したり、容貌が悪くなったりしない方法を選択するようにします。結膜切開やまぶたのしわに沿って切開して眼窩腫瘍を摘出できれば、手術後の外観は良好に保たれます。

しかし、悪性腫瘍では極力全摘出を目的とすることが多いので、眼窩の骨を外したり、場合によっては眼球も同時に摘出し、眼窩組織を全部とらなければならないこともあります(眼窩内容除去術)。

病気に気づいたらどうする

眼球突出などに気づいたら、すぐに眼科を受診するようにします。

眼窩底骨折(がんかていこっせつ)

7月13日

眼窩底骨折とは前方から鈍的外傷を受けた場合、眼球周囲の骨折を生じる

前方から鈍的(どんてき)外傷を受けた場合、眼球周囲の骨折(最も薄い眼窩底が多い)を生じ、眼球の運動障害、眼球陥没(がんきゅうかんぼつ)、複視(ふくし)(物が二重に見えること)などを生じます。

原因は何か

多くはスポーツ(とくに球技)、ケンカ、転倒や交通事故で起こります。

症状の現れ方

眼球運動障害(とくに上方に眼を動かすことができない障害が多い)に伴う複視、眼球陥没、血性の鼻汁、皮下気腫(ひかきしゅ)などですが、眼球自体の障害は比較的少ないことが多い傾向にあります。

検査と診断

単純X線、CT、MRIなどの画像診断を行います。

治療の方法

早期に陥入組織の整復手術を行います。手術を行わずに経過を観察する場合もあります。

眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)・眼窩蜂巣炎(がんかほうそうえん)

7月13日

眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)・眼窩蜂巣炎(がんかほうそうえん)とは眼球がおさまっている骨で取り囲まれたスペースを眼窩といいますが、その部の脂肪組織を中心として強い炎症が起きた状態を眼窩蜂窩織炎といいます

眼球がおさまっている骨で取り囲まれたスペースを眼窩といいますが、その部の脂肪組織を中心として強い炎症が起きた状態を眼窩蜂窩織炎といいます。

原因は何か

急性の細菌感染で、黄色ブドウ球菌が起炎菌として多いといわれています。副鼻腔炎(ふくびくうえん)や歯の周囲の感染巣などから、炎症が波及することが多いようです。外傷によって細菌が付着した異物が眼窩に刺さって、急激な炎症を起こすこともあります。

症状の現れ方

急に眼が赤くなり、まぶたもはれて赤くなり、痛みを伴います。まぶたを触るとよりいっそう痛く、時には眼が飛び出してきます(眼球突出)。眼が動きにくくなり、物が二重に見えたりします(複視)。

症状が強い時は、炎症が眼内に波及し、視力が低下することもあります。場合によっては発熱したり、頭痛、吐き気なども起こります。

検査と診断

眼を見ただけである程度の診断は可能ですが、まず急性結膜炎と区別します。視力を測定し、眼球内に炎症が波及していないかを細隙灯(さいげきとう)顕微鏡で観察します。緊急にCT検査を行い、眼窩内の病状を把握すると同時に、副鼻腔の状態をチェックすることも重要です。

炎症の原因となった菌の発見に努め、菌がわかれば薬に対する感受性検査を行います。

治療の方法

緊急に入院し、広域抗菌薬の点滴静脈注射を行います。菌が特定されたら感受性のある抗菌薬を用います。副鼻腔や歯の周囲が原因のときは、それぞれの専門医に治療を依頼します。

病気に気づいたらどうする

外傷の時はもちろんですが、眼やまぶたが赤くなり激痛を伴っている時は、入院も覚悟して早急に眼科を受診します。手遅れになると生命の危険もあります。

眼球突出(がんきゅうとっしゅつ)

7月13日

眼球突出とは眼が飛び出しているように見える状態のこと

眼が飛び出しているように見える状態をいいます。原因として多くの病気があり、そのひとつの症状です。近視が強い人は眼球の直径が大きくなるので、眼が飛び出したように見えることがありますが、これは眼球突出とはいいません。

原因は何か

眼球は極めて重要な器官なので、周囲を7つの骨でしっかりと保護されています。この骨で取り囲まれたスペースを眼窩(がんか)といいますが、この眼窩のなかにいろいろなものができたりすると、周囲の硬い骨のほうには広がることができないので眼球を前方へ押しやり、眼球が突出した状態になります。

眼球突出を起こす原因は多種多様です。両眼が突出する代表的な病気は甲状腺眼症(こうじょうせんがんしょう)で、バセドウ病ともいわれています。また、眼球を動かす外眼筋の炎症の時も、両眼性に眼球突出することがあります。先天性の骨の異常で両眼性の眼球突出があることもあります。

片眼性の眼球突出としては眼窩蜂巣炎(がんかほうそうえん)や眼窩腫瘍(がんかしゅよう)が代表的なものです。外傷によっても眼球突出になります。

症状の現れ方

バセドウ病や眼窩腫瘍の場合は徐々に突出しますが、本人が急に気づくこともあります。眼窩蜂巣炎や外傷の場合は、急性に眼球が突出します。

眼球突出の方向も、病変の部位と関係があります。バセドウ病の場合は前方に突出しますが、涙腺腫瘍(るいせんしゅよう)では眼球は内下方に突出します。また、視力が低下したり、眼が動きにくくなったり、痛みを伴うこともあります。

検査と診断

眼球突出の程度を測定するには、ヘルテル眼球突出計を用いて突出度を記録します。予想される原因疾患によって検査法も異なり、バセドウ病では甲状腺機能検査が重要です。超音波、CT、MRIなどの画像診断は必須のものです。

治療の方法

原疾患により治療法は異なります。バセドウ病では甲状腺に対する内科的な治療が主となりますし、眼窩腫瘍では観血的な外科治療(手術など)を行います。

バセドウ病でも眼球突出が極めて顕著になり、視機能に影響が出る場合は、眼窩の骨を削るなど観血的に眼窩減圧術(がんかげんあつじゅつ)を行うこともあります。眼窩蜂巣炎や外傷などでは抗生剤を使用します。

病気に気づいたらどうする

眼科でバセドウ病と診断されたら、内科で甲状腺の治療を受けます。バセドウ病で物が二重に見える(複視)ようになったら、病状が落ちついてから斜視(しゃし)の手術を考えます。

眼窩腫瘍の場合は、年齢や画像診断で悪性のものが疑われる時は、早急に手術などの治療を受けるほうがよいでしょう。

眼球破裂(がんきゅうはれつ)

7月13日

眼球破裂とは、眼球に強い鈍的あるいは鋭的外力がはたらき、角膜や強膜が破裂した状態

眼球破裂は、眼球に強い鈍的(どんてき)あるいは鋭的(えいてき)外力がはたらき、角膜(かくまく)や強膜(きょうまく)が破裂した状態です。

原因は何か

交通外傷、労働災害、ケンカ、スポーツなどの外傷時に強い外力が眼球に加わった際に生じます。

症状の現れ方

受傷直後から生じる視力の低下、充血、浮腫、眼痛などです。孔(あな)があいた眼ではない反対の眼に影響が出ることもあるため、注意が必要です。

検査と診断

問診により受傷した際の状況や原因を詳しく説明してもらいます。視力・眼圧・細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査、超音波検査、CT検査などで眼球破裂の場所、合併症の有無を確認し、手術方法を決定します。

治療の方法

抗生物質の点滴などを行いながら、局所麻酔、あるいは全身麻酔下で強膜、角膜縫合術を行います。外傷の程度、手術の難しさ、感染の有無、視機能の有無などにより白内障(はくないしょう)手術、硝子体(しょうしたい)手術などを同時に行う場合と、時期をずらして行う場合があります。眼球破裂は緊急手術の対象であり、まずは眼球内容が脱出した状態を早急に修復しなければなりません。

眼筋麻痺(がんきんまひ)

7月13日

眼筋麻痺とは内直筋・外直筋・上直筋・上斜筋・下直筋・下斜筋の筋肉が何らかの理由で動かなくなった状態を、外眼筋運動障害あるいは外眼筋麻痺といい、一般には単に眼筋麻痺と呼んでいる

私たちが物を眼で追いかける時には、目のまわりについている筋肉がはたらきます。これを外眼筋(がいがんきん)といい、水平方向に内直筋(ないちょくきん)・外直筋(がいちょくきん)の2種類、垂直方向に上直筋(じょうちょくきん)・上斜筋(じょうしゃきん)・下直筋(かちょくきん)・下斜筋(かしゃきん)の4種類、合計6種類の筋肉がついています。

これらの筋肉が何らかの理由で動かなくなった状態を、外眼筋運動障害あるいは外眼筋麻痺といい、一般には単に眼筋麻痺と呼んでいます。眼筋麻痺の程度は、軽いものから重いものまでいろいろです。

原因は何か

大別して、外眼筋自体に障害が起こる場合と、外眼筋を支配している神経の障害によって起こる場合があります。

外直筋は外転神経、上斜筋は滑車(かっしゃ)神経、それ以外は動眼神経に支配されています。さらに、これらの神経の核は脳幹部(のうかんぶ)にあり、動眼神経と滑車神経の核は中脳に、外転神経は橋(きょう)というところにあります。そして、それぞれの神経核は、脳幹における中枢に支配されており、その中枢はさらに大脳前頭野の運動領に支配されています。

したがって、これらの神経のどこの部分が障害を受けても、最終的に筋肉がはたらかなくなって眼筋麻痺が起こります。

たとえば、神経と筋肉のつながりの部分に異常が起こると(神経筋接合部異常)、筋肉への刺激が伝わらなくなって眼筋麻痺になります。代表的な病気として、次項で述べる筋無力症(きんむりょくしょう)があります。これは自己免疫疾患のひとつで、自己抗体が神経筋接合部を攻撃することによって発症します。

そのほか、神経障害の原因として、多発性硬化症のような炎症性疾患が関与する場合、脳腫瘍や眼窩部腫瘍が神経に圧迫および浸潤する場合、神経栄養血管が脳梗塞などで障害される場合があります。

外眼筋それ自体に障害を起こす病気としては、遺伝的に筋肉がはたらかなくなる筋ジストロフィーやミトコンドリアミオパチー、自己抗体が外眼筋を攻撃して起こる甲状腺眼症(こうじょうせんがんしょう)、外眼筋炎といった病気などがあります。

症状の現れ方

私たちの眼は物を見る時、2つの眼で見る力があります。これを両眼視といいます。2つの眼の位置は、物がある位置によってうまく調節されています。

しかし、何らかの病気で位置合わせがうまくいかないと、物が2つに見えてしまうことになります。これを複視(ふくし)といい、眼筋麻痺でいちばん多い症状です。

複視の出方は、眼筋麻痺が軽い場合は大きく眼球を運動させた時に生じますが、重症になると正面を向いていても2つに見えるようになることがあります。

眼筋麻痺は、時には眼の奥の痛みを伴うこともあります。眼瞼(がんけん)(まぶた)のはれや、まぶたが垂れてくる眼瞼下垂(がんけんかすい)を合併することもあります。そのほか、神経の障害の発生部位に応じて、いろいろな神経症状が現れます。

検査と診断

複視の性状を調べるため、眼科では視診による眼瞼や眼球位置の観察のあと、眼球運動の変化を観察します。両眼を開いた状態で両眼の共同性運動(2つの眼球を同時に動かす運動)をみたあと、単眼での運動を観察します。ここまででおおよそ、どの外眼筋の不全または麻痺があるかわかります。さらに、眼球運動障害を定量的に記録するために、ヘスチャートという検査も行います。

次に、異常がどこで生じているのかを筋肉、神経の順に観察し、末梢から中枢までの部位を想定し、CTやMRIなどの神経画像検査によって、部位診断から原因診断までを行います。

治療の方法

眼筋麻痺が炎症性のものとはっきりわかる場合は、ステロイド薬の全身投与が効果的です。非炎症性で腫瘍が原因であれば、外科的処置が必要になります。

虚血性など、それ以外の原因であれば経過観察になります。4?6カ月の経過観察のあと、なお症状が固定していれば手術による正面眼位の矯正(きょうせい)をします。

経過観察中に複視が気になったら、プリズムを使った眼鏡矯正をします。しかし、非共同性眼球運動を示す眼筋麻痺ではプリズムが合わない時もあり、片眼遮閉を余儀なくされることもあります。美容的には、コンタクトレンズによる片眼遮閉も可能です。

病気に気づいたらどうする

物が2つに見えたら、眼科のある専門病院を受診することをすすめます。単眼での複視なら純粋に眼科の病気ですし、両眼複視なら、その原因診断を行う必要があります。

まず原因を絞り込んでから、原因別に専門医の紹介を受けるとよいでしょう。

眼瞼炎(眼瞼縁炎、眼瞼皮膚炎)

7月13日

眼瞼炎(眼瞼縁炎、眼瞼皮膚炎)とはまぶたの炎症で、主にまつ毛の根元付近に起こるものを眼瞼縁炎、主にまぶたの皮膚に起こるものを眼瞼皮膚炎といいます

まぶたの炎症で、主にまつ毛の根元付近に起こるものを眼瞼縁炎、主にまぶたの皮膚に起こるものを眼瞼皮膚炎といいます。

原因は何か

眼瞼縁炎には、ブドウ球菌という細菌がまつ毛の毛根(もうこん)、脂腺(しせん)や汗腺(かんせん)に感染して起きる化膿性のものと、皮脂腺の分泌過剰による非感染性のもの(脂漏性(しろうせい))があります。化膿性のものは重症化する傾向がありますが、脂漏性のものは潰瘍などは生じず、まつ毛の欠損も起こしません。

これに対し、眼瞼皮膚炎は、外来の物質が原因で起こる皮膚のアレルギー性炎症です。原因物質(アレルゲン、抗原)は多種多様で、例をあげ始めるときりがありません。

たとえば、薬剤としてはあらゆる点眼薬・軟膏の各種成分、化粧品、石鹸、シャンプー、毛染め剤、ウルシなどの植物、食品(とくに味・臭いの強いもの)、また金属や皮革、ゴムまで原因となりえます。また、注射薬や内服薬の副作用として眼瞼皮膚炎が発症することもあります。

症状の現れ方

眼瞼縁炎は、左右両側の眼瞼縁の発赤、発疹、ただれやあかむけ(潰瘍)、かさぶた(痂皮(かひ))などを生じます。慢性化しやすく、軽快と悪化を繰り返し、重症例ではさかまつ毛(睫毛乱生(しょうもうらんせい))やまつ毛の欠損(睫毛禿(しょうもうとく))、皮膚の肥厚、まぶたの変形、外反症を生じます。

眼瞼皮膚炎は、まぶたの皮膚のかゆみを伴った発赤、紅斑(赤み)、腫脹(しゅちょう)が起き、やがて水疱(すいほう)などができて皮膚がただれ、角化した表皮がぽろぽろとれてくる(鱗屑(りんせつ)、落屑(らくせつ))ようになります。

検査と診断

感染性のものか非感染性のものかの区別が重要です。そのため、細菌培養を行います。眼瞼皮膚炎(非感染性)はアレルゲンの同定を行い、それとの接触を避けるようにします。

皮膚に微量の各種の成分をつけて、それぞれに対する皮膚の発赤の有無、程度で原因をさがす検査(パッチテスト)を行いますが、これで原因が特定できないこともあります。

治療の方法

眼瞼縁炎では、まぶたを清潔にすることが重要です。1000倍程度に薄めたベビーシャンプーなどで、まぶたの縁を洗浄します。くわえて、感染性では抗菌薬の点眼や眼軟膏の塗布(とふ)を行います。

眼瞼皮膚炎は、アレルゲンが特定できれば、それとの接触を避けるようにします。また、薬としてステロイド軟膏を塗ります。症状が強ければ、抗ヒスタミン薬などを内服します。

病気に気づいたらどうする

まぶたの発赤、腫脹、かゆみなどの症状があれば、早めに眼科を受診してください。原因によって治療も異なるので、素人療法は禁物です。

眼瞼下垂(がんけんかすい)

7月13日

眼瞼下垂とはまぶたが上がりにくい状態のこと

まぶたが上がりにくい(眼が十分開きにくい)状態です。

原因は何か

まぶたを上げるのは、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉です。その筋肉を動かすのは動眼(どうがん)神経という神経です。この筋肉または神経の異常で眼瞼下垂が起こります。

これら以外で眼が開きにくい状態を偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)といい、まぶたの皮膚の弛緩(しかん)(たるみ)、病的な眼球の縮小(先天性小眼球)・萎縮(いしゅく)(眼球癆(がんきゅうろう):失明した眼球が小さくなった状態)などで起こります。

症状の現れ方

先天性のものが最も多く、普通は眼瞼挙筋の形成不全で起こります。片眼性のことが多いものの、両眼性もみられます。遺伝することもしばしばです。

後天性では、加齢により徐々に起こる眼瞼下垂をよくみます。眼瞼挙筋の筋力の低下によるもので、いわゆる「年をとって眼が細くなる、開きにくくなる」というもののひとつです。

ある程度以上の下垂があると、物を見る時、あごを上げる姿勢をとります。また、まぶたをより上げようとするため、額にしわが寄ったり、眉毛が上がったりします。

成人で疲労によって眼瞼下垂が起こる時は、重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)という病気が疑われます。そのほか、眼科手術後に起こるもの、脳梗塞(のうこうそく)などのあとに起こるもの、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)による神経の圧迫で起こるものなどいろいろです。時には、コンタクトレンズの長期装用者に眼瞼下垂が起こることもあります。

また、眼瞼下垂とともに複視(物が二重に見える)を発症することもあります。これは眼球を動かす筋肉または神経が同時に異常を起こした場合に生じます。

検査と診断

眼瞼下垂は多くの原因で起こります。先天性でも、複雑な神経の異常で起こる場合もあります。後天性では、何かのきっかけがあったか、複視があるか、疲労と関係があるかなどが診断の手助けとなります。疲労と関係があり、重症筋無力症が疑われる場合は、特殊な薬物(抗コリンエステラーゼ)を検査に用います。

治療の方法

最も多い先天性眼瞼下垂では手術が主体です。重症の下垂では視力の発達が阻害されることもあり、早期の手術が必要な場合もあります。

そのほかのものは、症状の程度により手術するかどうか決定します。眼科手術後や脳梗塞後に起きたものは、自然に回復することも多いので数カ月様子をみます。重症筋無力症では薬物療法が主体です。

病気に気づいたらどうする

原因により治療法や予後が異なるので、専門医を受診してください。とくに急性に起こった場合では、脳動脈瘤が原因のこともあり、早期の脳外科手術が必要となる場合もあります。

眼瞼けいれん(がんけんけいれん)

7月13日

眼瞼けいれんは、眼瞼を閉じる筋肉が過剰に緊張して開きにくい状態のこと

眼瞼けいれんは、眼瞼を閉じる筋肉(眼輪(がんりん)筋)が過剰に緊張して開きにくい状態です。まぶただけの異常の場合と、唇にも異常を伴う場合があります。

前記の病気とは別に、まぶたの一部が時々ぴくぴくと瞬間的にけいれんする状態(線維束収縮(せんいそくしゅうしゅく))がありますが、この場合、開瞼は正常にできます。

原因は何か

眼輪筋を含めて顔の筋肉は脳から出る顔面神経によって制御されていますが、両側性の眼瞼けいれんの原因は、顔面神経に指令を与える脳の深部(大脳基底核(だいのうきていかく))の異常とされます。

一方、片側性のものは脳を離れたあとの顔面神経が、筋肉へ至る走行経路の途中で血管や腫瘍(しゅよう)などに圧迫されて発症します。

また逆に、神経には異常がなく、眼球に異常があってまぶたが開きにくいこともあります。線維束収縮は、ごく一部分の神経の表面の被膜が障害されて起こります。

症状の現れ方

両眼のまぶたが過度に緊張して開きにくくなるタイプは、中年の女性に多くみられます。しばしば瞬目過剰(しゅんもくかじょう)(まばたきが異常に多い)、羞明(しゅうめい)(光を異常にまぶしがる)などを伴います。けいれんは明るい所でひどくなり、暗い所で軽減します。また、活動や緊張によってひどくなり、休息により軽減します。重症では、まったく眼があけられなくなります。

片眼性のものは、やはり中高年に多いのですが、男女ともにみられ、同側の唇のけいれんを伴い、流涙(りゅうるい)を自覚します。

眼球の異常では眼痛、異物感、かゆみ、羞明、流涙などがあります。

線維束収縮は、突然まぶたの一部がぴくぴくと瞬間的にけいれんし、違和感はあるものの、痛みなどはありません。開瞼も正常です。一度起こると、時々何度か繰り返します。疲労時によく起こります。たいていは1?2週間ほどでおさまります。

検査と診断

診察時にけいれんが生じていれば診断は容易です。診察時にけいれんが生じていなければ、誘発を試みます。たとえば、強くまぶたを閉じたり、唇を横に伸ばしたりを何度もやってみます。また、強い光を目に当てたりします。

眼球の異常は、通常の眼科診察で診断可能です。

線維束収縮は、その症状から判断します。ただ、まぶた以外にも全身的に同様のけいれんが多発するようなら、全身の神経の病気(多発性硬化症(たはつせいこうかしょう)など)であることがあり、注意が必要です。

治療の方法

肉体的、精神的安静をとるようにします。羞明があればサングラスをかけます。この病気に特異的な治療として、眼輪筋へのボツリヌス菌毒素の注射があります。ほかに、人工涙液の点眼や内服薬(抗コリン製剤、抗うつ薬など)を投与します。また、難治症例では眼輪筋の切除術が行われます。

眼球の異常では、その原因疾患の治療が必要です。線維束収縮は、普通1-2週間で自然に治ります。

病気に気づいたらどうする

まぶたのけいれんの場合、安静を心がけ、専門医を受診してください。線維束収縮は様子をみて、1-2週間で治らなければ専門医を受診してください。

眼瞼腫瘍(がんけんしゅよう)

7月13日

眼瞼腫瘍はまぶたにできる腫瘤で、硬さはさまざま。皮膚にできると表面がただれることもある

まぶたにできる腫瘤(しゅりゅう)(しこり)で、硬さはさまざまです。皮膚にできると表面がただれることもあります。また、まぶたの裏の結膜側にできるものもあります。

原因は何か

腫瘍とは、もともと人体を構成していた無数の細胞のうちの通常1個が制御を失い、無秩序に増殖していくもので、真性腫瘍とも呼ばれます。真性腫瘍は1個の細胞が増殖したものであるため、普通は単一の腫瘍組織からなります。

真性腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。悪性腫瘍はがん(または肉腫(にくしゅ))と呼ばれ、一般に増大傾向が強く、全身に転移し生命を脅かします。まぶたの皮膚にできるもの、内部にできるもの、結膜にできるものがあります。

症状の現れ方

皮膚にできれば、直接見えるので容易にわかります。皮膚表面の良性腫瘍で色の目立つものには血管腫(けっかんしゅ)(赤くて軟らかい)、黄色腫(おうしょくしゅ)(黄色で平たい)、母斑(ぼはん)(ほくろ。黒?青黒色、茶色)、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)(青?黒、老人に多い)などがあります。

このほか、乳頭腫(にゅうとうしゅ)(いくつも突起がある)もよくみられます。また、いぼも良性腫瘍(尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい))です。内部にできる良性腫瘍には、皮様嚢腫(ひようのうしゅ)といって乳幼児期からまぶたの外寄りにできるものがあります。

悪性腫瘍では、皮膚表面には基底細胞(きていさいぼう)がんがよくみられます。少し盛り上がり、なかがただれてじくじくした感じになります。これは悪性腫瘍としてはめずらしく転移しません。このほか、皮膚表面には、非常にまれに悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)が発生します。

まぶた内部の腫瘤としては脂腺がんが発生します。これは転移もします。高齢者では霰粒腫(さんりゅうしゅ)との区別が大切です。結膜側には扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんがみられ、表面に凸凹があり、色調は白色?ピンク色です。

検査と診断

外見からかなりの正確さで診断できますが、決定的には腫瘍組織を顕微鏡で調べて診断します(病理組織診)。悪性であれば転移の有無などを調べます。

治療の方法

良性腫瘍は全摘出し、採取した組織は必ず病理組織診を行います。悪性ならば、腫瘍より大きめに切除摘出し、腫瘍が完全に取れたことを病理組織診で確認します。転移があれば、化学療法や放射線療法が必要です。

まぶたの腫瘍の場合、大きく切除した場合はまぶたの機能的、美容的な再建術が必要になります。

病気に気づいたらどうする

早めに専門医を受診してください。

眼瞼裂傷(がんけんれっしょう)

7月13日

眼瞼裂傷とは眼球に損傷がない眼瞼の裂傷のことです

眼球に損傷がない眼瞼(まぶた)の裂傷のことです。

傷の深さ、ごみなどの異物の有無、感染の有無、眼球周囲の損傷(とくに涙の通り道)の有無により治療法が異なってきます。

原因は何か

転倒や殴打のような鈍的(どんてき)外力が眼瞼に対して引き裂くようにはたらいた場合と、ガラスや金属片による鋭利な外力によって起こる場合とがあります。

症状の現れ方

眼瞼の出血、裂傷、はれ、皮下出血、眼瞼下垂(がんけんかすい)、眼が開かない、眼球突出、流涙(りゅうるい)などの症状が現れます。

検査と診断

眼球の損傷の有無を確認するため、可能な限り眼を開き、顕微鏡を用いて眼球を診察します。可能であれば視力・眼圧・眼底の検査を行います。眼瞼裂傷は眼窩骨折(がんかこっせつ)を伴うことも多いため、X線検査やCT検査を行うこともあります。裂傷からの出血で、眼球および眼窩骨の検査ができない場合は、裂傷の縫合を先に行うこともあります。

眼瞼の鼻側には涙小管(るいしょうかん)という涙の出口があるため、受傷直後から流涙がある場合や裂傷が鼻側に存在している場合は涙小管断裂を疑い、涙の通り道の検査(通水試験)を行うこともあります。

治療の方法

抗生物質を添加した生理食塩水などで十分に傷口を洗って、異物を取り除きます。次に傷の状態を十分に把握するため、圧迫止血を行ったのち、皮下浸潤(しんじゅん)麻酔を行います。傷の深さに応じて、シルクまたはナイロンの糸で縫い合わせます。感染の可能性があるため抗生物質の内服薬を処方し、随時消毒を行います。皮膚の縫合糸は1-2週間で抜糸できます。また、涙小管断裂の場合は涙小管チューブ置換術といって、涙の通り道を確保する方法がとられます。

応急処置はどうする

清潔な布でしっかりと傷を押さえて止血し、早急に医療機関を受診してください。

眼精疲労(がんせいひろう)

7月13日

眼精疲労とは読書などのように眼を持続的に使うと、眼の疲労感、眼の重圧感だけでなく、全身にも疲労、頭痛、肩こり、吐き気などが起こること

読書などのように眼を持続的に使うと、眼の疲労感、眼の重圧感だけでなく、全身にも疲労、頭痛、肩こり、吐き気などが起こることがありますが、これを一般的に眼精疲労といいます。

原因は何か

眼精疲労の原因は、実にさまざまなものが考えられています。原因を特定することが難しい場合が多く、原因と考えられるものを一つひとつ除外して追及していきます。

眼精疲労の原因は、大きく4つに分けて考えられています。眼に原因があるもの、全身に原因があるもの、精神的なもの、環境的なもの、です。

眼に原因があるもの
  • 屈折異常によるもの

遠視、近視、乱視などの屈折異常が原因で起こる眼精疲労が最も多いようです。いずれも、物が適正に見えないために、それを無理に調節して見ようとして、眼を無理に働かせるために眼精疲労が発生します。

遠視の場合は、調節力が低下し始める30代後半?40代にかけて起こりやすいのですが、20代でも起こります。

老視の起こり始めには、遠視でなくても眼精疲労になることがあります。この場合は、小さな字でもすらすらと読めるので、本人は老視のための眼精疲労とはわかりません。

近視の場合は、眼鏡屋さんで近視の眼鏡をつくる時に、遠方がより見えるレンズを自分で選び、そのために眼精疲労を訴える患者さんを時々みかけます。遠くがよく見える眼鏡が必ずしもよいわけではないので、眼科で適正な眼鏡の処方をしてもらいましょう。

  • 斜視(しゃし)などによるもの

斜視とは、片眼は眼の中心にあるのに他眼が中心からずれているため、両眼で同時に見えない状態です。一方、ふだんは両眼視できても、片眼を手で隠すなどすると眼の位置がずれる状態を斜位(しゃい)といいます。

斜視が固定していて両眼視ができていない場合は、かえって眼精疲労は起こりませんが、斜位などの場合は両眼視をしようと努力するために眼精疲労が現れやすくなります。水平方向の眼位(眼の位置)の異常よりも、融像(ゆうぞう)(左右の眼に映った像をひとつにまとめてみるはたらき)の幅が狭いために上下方向の眼位の異常のほうが眼精疲労を起こしやすくなります。

  • 不等像視(ふとうぞうし)によるもの

両眼の屈折値の差が大きい時、つまり、レンズの度が左右で相当違う時などは、左右の眼に感じる映像の大きさが異なるので眼精疲労が起こります。この場合はコンタクトレンズにすると眼精疲労は起こりにくいようです。

  • その他の眼の病気によるもの

さかさまつ毛、結膜炎、角膜炎などによっても起こります。最近では眼精疲労の原因として、ドライアイが重要視されています。

緑内障(りょくないしょう)も眼精疲労の原因になります。緑内障の初期には調節力が低下してくることがあり、老視が早くきたかと思い違いすることがあります。また、緑内障の一種である慢性閉塞隅角(まんせいへいそくぐうかく)緑内障の場合は、時々、霧がかかったように見えたりして眼精疲労と感じることがあります。

全身に原因があるもの

全身疾患によっても眼精疲労が起こります。高血圧、低血圧、糖尿病、バセドウ病、貧血、自律神経失調症、月経異常など、さまざまな病気で眼精疲労が発生します。

精神的なもの

職場での不適合、心身症、神経症なども眼精疲労の一因となります。

環境的なもの

紫外線や赤外線、過度の照明などの光刺激によるものがありますが、最近注目されているのがVDT作業による眼精疲労で、VDT症候群と呼ばれています。

また、機械的刺激によるものとしてクーラーの風やごみなどがあります。化学的刺激としては、ガスや有機溶剤によるものがあり、最近は新築の家などで起こるシックハウス症候群が注目されています。

症状の現れ方

最初は眼が重い感じがしますが、眼が痛くなり、じんじんし、かすんできたり、まぶしくなったり、眼が赤くなったり、涙が出たりします。

全身的には頭痛、肩こり、吐き気などが起こります。

眼内異物(がんないいぶつ)

7月13日

眼内異物とは眼の外傷により異物が眼内に飛入すること

眼の外傷により異物が眼内に飛入した場合、異物の種類、飛入した場所などにより予後が大きく違ってきます。眼内異物では、多くの症例で外傷性白内障(がいしょうせいはくないしょう)、網膜剥離(もうまくはくり)、硝子体(しょうしたい)出血、眼内炎(がんないえん)など多くの合併症がみられます。早期発見、早期治療が視機能を保つうえで重要になります。

症状の現れ方

外傷性白内障、硝子体出血などの合併があれば自覚症状として視力の低下、眼痛などを生じますが、異物が小さい場合などは自覚症状が乏しい場合もあるので、注意が必要です。

検査と診断

視力・眼圧・細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査および詳細な眼底検査が必要です。その際、他の合併症の有無を確認して手術方法を決定します。外傷性白内障がある場合、異物除去術と同時に白内障摘出と眼内レンズ挿入術を行うこともあり、これらの検査も行うことがあります。さらに、異物の位置を確認するため、超音波・X線・CTなどの検査も必要になります。

治療の方法

異物の飛入した場所により治療の方法は異なってきますが、基本的には入院して、手術で異物を摘出する必要があります。その際、白内障を合併していれば白内障摘出術、網膜剥離を合併していれば網膜復位術を併用して行います。術後は異物により感染の危険があるため、抗生物質の投与を行います。

眼部帯状疱疹(がんぶたいじょうほうしん)

7月13日

眼部帯状疱疹は左右いずれかの上まぶた、または下まぶたに発疹と浮腫が生じ、痛みを伴う病気のこと

左右いずれかの上まぶた、または下まぶたに発疹(ほっしん)と浮腫(ふしゅ)(むくみ)が生じ、痛みを伴う病気です。

原因は何か

水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスによる感染症です。

このウイルスは、初感染の時は水痘(みずぼうそう)として発熱や全身の発疹を起こし、2?3週間で治りますが、その後ウイルスは潜伏し、体の抵抗力(免疫能)が低下した時に再活性化します。

たとえば高齢者、糖尿病やがんの患者さん、ステロイド薬を長期使用している人、また免疫抑制薬を使用している人などの場合です。しかし、まったく健康に問題のない人に発症することもあります。

発疹は通常、1本の神経の分布に沿って起こり、顔面以外では胸・腹部がよく発症する部位です。

症状の現れ方

まず、左右いずれかの上まぶたから前額部にかけて痛み出し、次いで皮膚には紅斑(赤み)ができ、小水疱(しょうすいほう)(みずぶくれ)となります。上まぶたから前額部の浮腫も起こります。水疱にはやがてうみがたまり(膿疱化(のうほうか))、そのあとに痂皮(かひ)(かさぶた)となります。普通、2週間以内に治ります。

下まぶたが侵(おか)される場合もありますが、この場合、上まぶたは侵されません。なぜなら、帯状疱疹は通常、1本の神経の分布に沿って発症しますが、上まぶたと下まぶたではとおっている神経が異なるためです。ちなみに、上まぶたは三叉神経第1枝、下まぶたは三叉神経第2枝が分布しています。

皮診が治ったあと、つらい神経痛が残ることがあります。症状が重ければ、ペインクリニックで専門的治療が必要になります。

検査と診断

血液検査で、ウイルスに対する抗体価の上昇を調べます。水疱の内容物からウイルスを検出すればいちばん確実です。

治療の方法

抗ウイルス薬(ゾビラックス)の点滴・内服、ステロイド薬の内服などを行います。皮膚には軟膏(アンダーム軟膏)を塗ります。

病気に気づいたらどうする

痛みを伴う発疹が出たら、皮膚科または眼科を受診します。皮膚は清潔にし、水疱はつぶさないことが肝心です。