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黄斑円孔(おうはんえんこう)

8月13日

黄斑円孔とは眼底の中心にある黄斑部の網膜に孔があく病気のこと

眼底の中心にある黄斑部の網膜(もうまく)に孔(あな)があく病気です。黄斑部は物を見るための中心ですから、黄斑円孔になると非常に物が見えにくくなります。

10年ほど前までは治療不可能とされていましたが、最近では手術でほとんど黄斑円孔は閉鎖することができるようになっています。高齢者に多い病気ですが、眼の打撲などで若い人にも起こることがあります。

原因は何か

眼の老化、とくに硝子体(しょうしたい)の加齢による変化が原因です。硝子体の最も外側、網膜と接する部分を硝子体皮質といいますが、加齢とともに黄斑部網膜に接する硝子体皮質に接線方向の張力が加わります。すると、網膜と硝子体皮質は中心部で強く接着しているため、網膜の中心に前方への牽引力(けんいんりょく)が加わり、黄斑部網膜に亀裂(きれつ)が入って黄斑円孔ができると考えられています。

症状の現れ方

多くの場合、変視症(へんししょう)(物がゆがんで見える)で始まります。黄斑円孔による変視症は特徴的で、よく「すぼんで見える」「吸い込まれるように見える」と表現されます。

視力は初期には比較的良好ですが、進行するにつれて下がっていき、最終的には0・1?0・2程度まで低下します。

検査と診断

眼底検査で一目瞭然(りょうぜん)です。最新の機器であるOCT(光学的干渉断層計)は、黄斑円孔の断面をきれいに映し出すことができます。進行の過程によって、ステージ1?4に分けられています。

黄斑円孔は、かつては中心部の網膜がくり抜かれてできると考えられていました。しかし、今では針で突いたような小さな孔が周囲に拡大したものであることがわかっています。

治療の方法

ごくまれに自然に治ることがありますが、一般的には硝子体手術が唯一の治療法です。手術で最も重要なポイントは、後部硝子体皮質(こうぶしょうしたいひしつ)を網膜の表面から剥離(はくり)することにありますが、最近は内境界膜(網膜の最表面にあり、後部硝子体皮質と接する膜)を併せて取り除く方法が広まっています。

手術では眼のなかに気体を注入するので、術後数週間はうつ伏せの体位をとらなくてはなりません。うつ伏せはかなりつらいようですが、今では手術によって90%以上は円孔が閉鎖するようになっていますから、がんばる甲斐はあります。円孔が閉鎖すると、直後から変視症は大幅に改善しますが、視力の回復はさまざまです。

病気に気づいたらどうする

早急に眼科専門医の診断を受ける必要があります。早く手術をするほど円孔が閉鎖する率は高く、視力の回復は良好です。

手術は一刻を争うわけではありませんが、早く手術を受けるに越したことはありません。時間がたちすぎると、円孔は閉鎖しても視力はあまり回復しません。

黄斑上膜(おうはんじょうまく)

8月13日

黄斑上膜とは黄斑部網膜の上にある後部硝子体皮質が、半透明の膜状の組織になったものが黄斑上膜で、黄斑上膜の厚み、収縮の度合いなどによって、視力が低下します

加齢に伴って起こる特発性と、ほかの眼病に伴って起こる続発性がありますが、ここではより一般的な特発性黄斑上膜(おうはんじょうまく)についてのみ解説します。

黄斑部網膜の上にある後部硝子体皮質(こうぶしょうしたいひしつ)が、半透明の膜状の組織になったものが黄斑上膜です。黄斑上膜がすべて見え方に影響するわけではなく、自覚症状のない黄斑上膜もたくさんあります。黄斑上膜の厚み、収縮の度合いなどによっては、視力が低下します。

原因は何か

黄斑円孔(おうはんえんこう)と同様に、硝子体の加齢性変化が原因になります。最も典型的なでき方を説明しておきます。

まず、後部硝子体剥離(はくり)が起こります。その時、何かの拍子に黄斑部の後部硝子体皮質が網膜の表面にとり残されます。とり残された硝子体皮質はやがて線維状になって収縮します。黄斑上膜が収縮することにより網膜にしわがよったり、網膜がずれたり、中心部に水がたまったりすると見え方が影響されます。

症状の現れ方

黄斑上膜は多様な病気で、症状の現れ方も一様ではありません。視力低下、変視症(へんししょう)、霧視(むし)などが多い症状ですが、突然現れることはなく(突然気づくことはある)、いつとはなしにということが多いようです。変視症は黄斑円孔とはまったく違い、波打って見えることが多いようです。

検査と診断

眼底検査で簡単に診断がつきます。OCT(光学的干渉断層計)は、黄斑上膜の下にある網膜の状態を描き出すので、とても有用です。

以前は、黄斑上膜による視力低下は、光が上膜にさえぎられたり、網膜にしわがよったり、網膜がずれることで細胞の並びが乱れたりすることなどが原因と考えられていました。しかし、OCTで網膜の様子がよく観察できるようになると、中心部網膜のなかや下に水がたまることが視力低下の主因であることがわかってきました。

治療の方法

治療をするなら、硝子体手術が唯一の方法です。しかし、黄斑上膜はすべて治療しなくてはいけないものではありません。程度によっては治療の必要はないので、視力障害や変視症の程度、発症してからの期間などさまざまな条件を考慮して治療すべきかどうかを考えます。

また、失明に至るという病気でもないので、本人が望まなければ無理に手術する必要はありません。

病気に気づいたらどうする

徐々に発症・進行する病気ですからあわてることはありませんが、とりあえず治療方針を決める必要があります。専門医に診てもらって、手術の要否、経過観察の要否などを診断してもらうのがよいでしょう。手術するかどうか、するならいつするかはよく話を聞いてから決めたほうがよいでしょう。