コンタクトレンズの酸素透過性と含水率
コンタクトレンズの酸素透過性と含水率は目へ酸素のとおりやすさや目への優しさが関係している
目にゴミが入った時に激しい痛みを感じたりした経験は誰にでもあると思います。コンタクトレンズは、直接目に乗せて使用するのになぜ痛みを感じないでしょうか?
それはレンズデザインと素材にあり、ソフトコンタクトレンズはスポンジのように水分を含んで柔らかくなる親水性のプラスチックでできています。さらにとても薄く作られているので、目の上に乗せると角膜形状に沿ってやさしくフィットし、角膜全体をおおうような状態になるため、痛みや異物感を感じにくくなっているのです。
含水率 と酸素透過性の関係
ソフトコンタクトレンズが水分を含む割合を「含水率」といい、その割合が高いものを「高含水レンズ」、低めのものを「低含水レンズ」といいます。
この素材の含水率は、酸素の通りやすさ(酸素透過性)と深い関係があります。素材自体の特性としては、含水率が高いほど酸素透過性は高くなりますが、これはあくまで素材単体で比較した場合のことで、実際のコンタクトレンズの酸素透過性は、含水率の他にもレンズの厚みが大きく関係しています。例えば同じ素材で比較した場合、レンズの厚さが半分になれば酸素透過性は2倍になるとされています。
含水率が異なる素材で同等の強度をもつレンズを作る場合、高含水レンズはレンズが厚くなり、低含水レンズはレンズを薄くすることができます。つまり、上記のようにレンズは薄い方が酸素透過性が高くなるため、含水率の数値だけでレンズの良し悪しを判断することはできないのです。
また、酸素透過性の指標に、Dk値(酸素透過係数)やDk/L値あるいはDk/t値(酸素透過率)が用いられます。
Dk値は、コンタクトレンズ材料の酸素透過性を示す物性値です。Dk値が同じでも、レンズの厚みが薄いほうが透過しやすいため、Dk値をレンズの厚みで割った値(Dk/L値あるいはDk/t値)を比較材料にしています。
含水性ソフトコンタクトレンズの場合は、Dk値は含水率が高いほど酸素透過性が高い傾向があります。
一方、シリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズは、シリコーンが水(涙)よりも酸素を透すため、含水率は低くても酸素を多く透します。酸素をたくさん角膜に送るためには、コンタクトレンズの装用時間を短くすることが最も効果的であることも忘れないようにして下さい。
イオン性と非イオン性
ソフトコンタクトレンズには電気的な性質の違いによって「イオン性」と「非イオン性」の二つに分類することができます。
イオン性のレンズ
イオン性レンズはマイナスイオンを帯びているので、プラスイオンを帯びた汚れを引き寄せやすくなっています。
非イオン性のレンズ
非イオン性レンズはイオン性レンズと比較して汚れが付きにくいため、長時間の装用でも快適さが持続するという特長があります。
ソフトコンタクトレンズ素材のグループ分類
含水率の違いと、イオン特性の違い、それぞれの性質の組み合わせによって、ソフトコンタクトレンズは表にあるように1から4の4つのグループに分類されています。
ケア用品の適合性を確認する時などにもこの分類が使われており、市販されているレンズケア用品のパッケージにも使用できるレンズの素材グループが表示されています。
| 素材グループ | イオン特性 | 含水率 |
| グループ1 | 非イオン性 | 低含水 |
| グループ2 | 非イオン性 | 高含水 |
| グループ3 | イオン性 | 低含水 |
| グループ4 | イオン性 | 高含水 |
このグループ分けの方式は、元々アメリカのFDA(米国食品医薬品局)で採用されていたもので、1999年4月より日本にも導入されました。
